グローバル・ミニマム課税における不確実な税務処理に係る法人税等

 調整後対象租税額における一定の減算調整の一つとして、その金額のうち不確実な税務処理(法人税又は法人税に相当する税に係る所得の金額の計算上行われた処理に不確実性がある場合におけるその処理をいう。以下同じ。)に係る法人税等の額がある場合におけるその法人税等の額に係る調整が規定されている(令 155 の 352三ニ、規 38 の 283一ニ9)。

 この不確実な税務処理に係る法人税等の額とは、具体的にどのような会計処理に係る法人税等の額が該当するのか疑義が生ずる。 この点、日本基準では、不確実な税務処理について包括的に規定した会計処理の基準はないところ、国際会計基準(IFRS)においては、「IFRIC 第 23 号『法人所得税の税務処理に関する不確実性』」において、不確実な税務処理についての会計処理が定められている。この IFRIC 第 23 号では、不確実な税務処理を「関連する税務当局がその税法に基づいてその税務処理を認めるかどうかに関して不確実性がある税務処理」としており、企業は、税務当局が不確実な税務処理を認める可能性が高いかどうかの検討を行った上で、税務当局が不確実な税務処理を認める可能性が高くないと企業が結論を下す場合には、法人所得税における当期の税金費用並びに繰延税金資産及び繰延税金負債について、その不確実性の影響を会計処理に反映しなければならないこととされている。そしてその影響の測定については、最も可能性の高い金額又は期待値とする方法のうち、いずれの方法がより適切な予測となるかを判定して測定することとされている。