EUが定める最低限の保護措置(Minimum Safeguards)

EUタクソノミーでは、企業による活動がタクソノミーの観点から適格であるかどうかに加えて、その活動がEUが定める「最低限の保護措置(Minimum Safeguards)」を満たしている必要がある。人権に加え、「納税」も最低限の保護措置の要素の一つであり、「OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針」に基づいて以下の通り定義されている。

  1. 企業が遅滞なく納税義務を果たすことにより、受入国の公共財政に貢献することは重要である。特に企業は、事業活動を行う国の租税関連の法律及び規則の条文と精神を何れも遵守すべきである。法の精神に従うとは、立法趣旨を理解し、これに従うことを意味する。これは、かかる解釈に従い、法が求める以上の金額を企業が支払わなければならないということを意味するものではない。税務コンプライアンスとは、事業活動に関連して賦課される税額の正確な決定を目的として、関連した又は法が求める情報を遅滞なく関係当局に提出すること、及び移転価格の慣行を独立企業原則に合致させること等を含む。
  2. 企業は、税務ガバナンス及び税務コンプライアンスを、自社の監査及びより広範なリスクマネジメントシステムの重要要素として扱うべきである。特に、企業の取締役会は、税務に関連するあらゆる財務リスク、規制リスク、レピュテーションリスクを特定・評価できるようにするため、税務リスクマネジメント戦略を採用すべきである。